自動車損害賠償責任保険(じどうしゃそんがいばいしょうせきにんほけん)は、すべての自動車・原動機付自転車に加入が義務付けられている強制保険です。
一般には「自賠責保険」と呼ばれ、交通事故の被害者を救済することを目的に、自動車損害賠償保障法によって定められています。
運転免許を持つ人であれば、必ず理解しておきたい重要な制度です。
自動車損害賠償責任保険の役割と目的
自賠責保険の最大の目的は、人身事故の被害者を最低限補償することです。
万が一、交通事故を起こしてしまった場合、加害者に十分な支払い能力がないと、被害者が適切な補償を受けられないおそれがあります。
そうした事態を防ぐため、国が制度として加入を義務付けています。
そのため、自賠責保険は「被害者救済」に特化しており、運転者自身や車の修理費用などは補償対象外です。
この点が、任意保険との大きな違いになります。

補償される範囲と注意点
自動車損害賠償責任保険で補償されるのは、相手方のケガや死亡といった人身損害のみです。
具体的には、治療費、休業損害、慰謝料などが一定の限度額まで支払われます。
一方で、物損事故(相手の車や建物への損害)や、自分自身のケガ・車両の修理費用は補償されません。
補償額にも上限があるため、重大事故の場合は自賠責保険だけでは賠償が不足するケースも少なくありません。
そのため、多くのドライバーは任意保険と併せて加入しています。
加入義務と未加入時のリスク
自動車損害賠償責任保険は、車検時や新車購入時に必ず加入が確認される保険です。
自賠責保険に加入していない車両は公道を走行できず、違反した場合は厳しい罰則が科されます。
具体的には、無保険運行として免許停止処分や罰金の対象となり、事故を起こした場合は高額な賠償をすべて自己負担しなければなりません。
これは運転者にとって非常に大きなリスクといえるでしょう。
任意保険との違いと上手な考え方
自賠責保険は「最低限の補償」、任意保険は「不足分を補う保険」と考えると分かりやすいです。
自動車損害賠償責任保険だけではカバーしきれない損害に備えるため、対人・対物賠償を含む任意保険への加入が実質的には欠かせません。
運転免許を取得したばかりの人ほど、「自賠責保険があるから大丈夫」と誤解しがちですが、実際の事故対応を考えると十分とはいえません。
自動車損害賠償責任保険の役割を正しく理解し、その上で保険を選ぶことが、安全で安心なカーライフにつながります。
こちらもご覧ください
