車検とは正式には自動車検査登録制度と言います。
車検には道路運送車両法によると、新規検査、継続検査、構造等変更検査の3種類がありますが、一般的に車検というと、継続検査のことを指すことが多いです。車検は所有しているクルマが安全面や環境面などが国の定めた基準に適合しているかどうかをチェックする検査のことです。車検の期間は乗用車の場合、新車購入後3年目、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
車検は検査証の有効期限満了日の1カ月前(離島は2カ月前)から車検を受けることができます。上記の期間内であれば、次回の車検満了日が繰り上がることはありません。この検査では、検査を受けた時点のクルマの状態をチェックするだけで、合格したといっても2年先の検査まで安心して乗り続けられることを約束してくれるものではありません。したがって、車検と同時に予防を含めた点検も一緒に行うことが推奨されています。
車検費用の相場の目安はこれくらい
車検費用の相場は、ディーラーならば軽自動車は約7万円、1500ccクラスのコンパクトカーは約10万円です。
一方、カー用品店で車検を受ける場合、費用相場は軽自動車は約5万円、1500ccクラスのコンパクトカーなら約7万円となっています。
この価格は、部品交換費用を除いた車検費用のおおよその目安です。ただし、車検基本料金の24カ月定期点検料や車検代行料はディーラーやカー用品店など車検業者によって金額が変わりますので、あくまでも目安としてお考えください。
それでは、費用の内訳について見ていきましょう。
ディーラーで車検を受ける場合の車検費用例
車種例 | 法定費用 | 車検基本費用 | 部品交換費用 | 合計 |
普通車(1500ccクラス) | 4万7500円程度~ | 5万400円程度~ | 車のコンディションによって様々 | 約10万円~ |
軽自動車 | 3万3070円程度~ | 3万4020円程度~ | 車のコンディションによって様々 | 約7万円~ |
車検費用の内訳
車検にかかる費用は「法定費用」「車検基本費用」「部品交換費用」の3つに大きく分けることができます。
法定費用とは自動車重量税、自賠責保険、印紙代のことです。この法定費用には消費税は課税されません。
続いて車検基本費用とは定期点検料、測定検査料、代行手数料のことです。そして部品交換費用とはタイヤやブレーキパッドなど点検の結果、追加の整備が必要な場合にかかる費用のことです。法定費用と車検基本費用は車検を受ける人は必ず支払うことになりますが、部品交換費用は所有するクルマのコンディションによって必要になる場合と必要ない場合があります。そして車検基本費用と部品交換費用には消費税が課税されます。
それでは、車検にかかる費用を細かく見てみましょう。
車検費用の内訳:法定費用
一般的に車検費用の中で多くの割合を占めるのが法定費用です。法定費用は車種ごとに法律で決められた費用なので、どこで車検を受けても同額になります。
この法定費用に含まれるものは自動車重量税、自賠責保険、検査手数料となっています。
重量税(自動車重量税)
車検期間 | 車両重量 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
~0.5t | 0.5t~1t | 1t~1.5t | 1.5t~2t | 2t~2.5t | 2.5t~3t | |
1年 | 2,500円 | 5,000円 | 7,500円 | 10,000円 | 12,500円 | 15,000円 |
2年 | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 20,000円 | 25,000円 | 30,000円 |
自動車重量税とは車両重量によって課税される税金で国に収める税金です。小型車や普通乗用車などの登録車は車両重量と期間によって課税額が変わっていますが、軽自動車は一律5000円(本則税率)となっています。
自家用車の場合、車検期間は2年となりますので、車両重量の1トン以下のコンパクトカーの重量税は1万円。車両重量が1.5トン~2トンのミニバンの重量税は2万円となります。
重量税は排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境性能の高い車種に対してはエコカー減税が適用されます。新車新規登録時免税を受けた車両においては、初回の車検(継続検査)時も免税となります。ただし、平成29年5月1日以降新車新規登録などした乗用車については免税要件を満たし、かつ平成32年度燃費基準+40%以上を達成している車両のみ初回の車検(継続検査)時も免税となります。また、車検日においてエコカー減税の対象となる車両については車検(継続検査)時に納付すべき税額が割引された本則税率となります。
保険料(自賠責保険)
車種 | 37ヶ月 | 36ヶ月 | 25ヶ月 | 24ヶ月 | 13ヶ月 | 12ヶ月 |
---|---|---|---|---|---|---|
普通車 | 36,780円 | 35,950円 | 26,680円 | 25,830円 | 16,380円 | 15,520円 |
軽自動車 | 35,610円 | 34,820円 | 25,880円 | 25,070円 | 15,960円 | 15,130円 |
自賠責保険とは正式には「自動車損害賠償責任保険」と言います。これは交通事故の被害者救済を目的に作られた保険で、クルマを所有する場合は、車検期間分必ず加入しなければなりません。そういった背景から自賠責保険は強制保険とも呼ばれることがあります。
自賠責保険は万が一の交通事故の場合、対人にのみ損害を補償する保険です。モノを壊した場合や運転者自身のケガなどは自賠責保険の補償対象外となります。したがって、クルマを所有する場合は自賠責保険に加えて、任意保険と呼ばれる自動車保険に加入する必要があります。
自賠責保険は一般的に車検期間分加入することになります。したがって、普通車で車検を受ける場合は24カ月契約の2万5830円。軽自動車の場合は2万5070円を支払うことになります。万が一、車検が切れてしまった場合は25カ月契約することになります。自賠責保険料は2017年4月1日時点の保険料です。沖縄県や離島などの一部の保険料は異なります。
検査手数料
車種 | 検査手数料 |
---|---|
3ナンバー車 | 1,800円 |
5ナンバー車 | 1,700円 |
軽自動車 | 1,400円 |
車検(継続検査)を受ける際に検査手数料が掛かります。この検査手数料は印紙で支払うため、印紙・証紙代とも言われることがあります。検査手数料は5ナンバーの小型車、3ナンバーの普通車、軽自動車で変わります。小型車の検査手数料は1700円(印紙400円、証紙1300円)。普通車は1800円(印紙400円、証紙1400円)軽自動車が1400円です。
この検査手数料は指定整備工場経由の場合とユーザー車検の場合で金額が異なります。指定工場経由の場合は全車1100円。ユーザー車検の場合、軽自動車は1700円、小型、普通乗用車は1800円です。
車検費用の内訳:車検基本費用
車検基本費用とは24カ月定期点検料、測定検査料、車検代行手数料の合計金額のことです。この車検基本費用は人件費が含まれるため、自動車ディーラーやカー用品店など車検を受ける場所によって金額が変わってきます。同じクルマであっても車検費用が変わるのはこの車検基本費用が変わるからと考えると良いでしょう。
点検費用
車検(継続検査)を受けるためには、24カ月定期点検を受けないといけません。自家用車の24カ月点検項目は56項目あります。この24カ月点検を自動車ディーラーで行うと軽自動車で1万6200円、1500ccクラスのコンパクトカーで2万1600円、2500ccクラスのミニバンで2万9160円が目安となります。
しかし、カー用品店では検査ラインの使用料、申請代行料を含んでも1万2800円という低価格で24カ月点検を行うところもあります。同じ点検ではありますが、これだけ価格差があるのです。
事務手数料
事務手数料は車検代行手数料と同じものです。これはユーザーに変わって車検を行う人件費で、この事務手数料も車検を出す場所によって変わってきます。自動車ディーラーでは1万800円が目安です。カー用品店では車検基本料1万2800円の中に24カ月点検、検査ライン使用料、事務手数料を含んでいるところもあります。
車検費用の内訳:部品交換費用
車検(継続検査)を受けるために行う24カ月定期点検によって、各種パーツの劣化やオイル漏れ、ブレーキパッドの摩耗、損傷といった整備が必要となった場合に掛かるのが部品交換費用です。登録してからの年数や走行距離などによってクルマの傷みはまちまちですが、タイヤやブレーキなどは新車から2回目の車検の時に交換するのが一般的となっています。
車検費用の総額の計算方法
ここで、車検(継続検査)に必要な費用の内訳をおさらいしましょう。
車検費用で必ず必要となるのが法定費用です。これは、税金(自動車重量税)と保険料(自賠責保険)と検査手数料という内訳となっています。そして、車検基本料金(24カ月定期点検料、測定検査料、車検代行費用)と、クルマのコンディションによって必要となる部品交換費用が追加で発生するというかたちです。この中で、法定費用は法律で決められた金額なので、車検を出す場所が違っても法定費用の金額は変わりません。
車種ごとの車検費用の相場
車検(継続検査)の費用は、車検に場所の違いを除くと所有しているクルマの車両重量。軽自動車、5ナンバーの小型車、3ナンバーの普通車というクルマの種類。そしてエコカー減税の対象かどうかで変わってきます。
それでは車検費用の相場をクルマの種類別に見てみましょう。
排気量1500ccクラスの小型車(フィットなど)の車検相場
人気のコンパクトカーのホンダフィットやトヨタ アクアなどが属する排気量1500ccクラスの車種の車検相場を見てみましょう。このクラスは車両重量1トン~1.5トン、5ナンバーサイズの小型車が中心のクラスです。
エコカー減税の適用がある自動車重量税は1万5000円~2万4600円。自賠責保険は24カ月契約で2万5830円。印紙代1,700円で法定費用は4万1930円~5万1530円です。
これに24カ月定期点検料の2万3760円、継続検査料の8640円、検査代行料1万800円がかかるので8万5130円~9万4730円が排気量1500ccクラスの車種の車検相場となります。
この金額にクルマのコンディションによって追加整備費用が発生します。
排気量2000ccクラスの普通車(ステップワゴンなど)の車検相場
排気量2000ccクラスの車種の車検費用の相場はどれくらいでしょうか。ちなみに、このクラスの代表車種は、ミニバンで例を挙げた場合、ホンダ ステップワゴンや日産 セレナ、トヨタ ヴォクシーなどが当てはまります。
このクラスは車両重量1.5~2トン、3ナンバーサイズの普通車が中心となるクラスです。エコカー減税の適用がある自動車重量税は2万円~3万2800円。自賠責保険は24カ月契約で2万5830円。印紙代1,800円で法定費用は4万6930円~5万9730円です。
これに24カ月定期点検料の2万8080~3万1320円、継続検査料の8640円、検査代行料1万800円がかかるので9万7690円~10万7250円が排気量2000ccクラスの車種の車検費用の目安といえます。
この費用に加え、愛車の状態によって整備費用が追加でかかることもあります。
軽自動車の車検相場
続いて、幅広い人気を誇るホンダ N-BOXをはじめとした軽自動車の車検相場を見てみましょう。自動車重量税は6600円。自賠責保険は24カ月契約で2万5070円。印紙代1,400円で法定費用は3万3070円です。
これに24カ月定期点検料の1万4580円、継続検査料の8640円、検査代行料1万800円がかかるので6万6790円が軽自動車の車検相場の目安です。
また、クルマの状態によっては整備が必要となり、別途追加で費用が必要となることもあると、お考え下さい。
車検を受けるお店・整備工場によって異なる車検費用の相場
車検(継続検査)は自動車ディーラーだけでなく、カー用品店、ガソリンスタンドなどの車検業者に依頼することができますし、自分で検査場にクルマを持ち込んで行うユーザー車検というものもあります。
ここでは、車検を出す場所によって変わる車検相場について見てみましょう。
☆ディーラーでの車検費用の相場
所有しているクルマを車検に出す場所として最も一般的なのが自動車ディーラーです。新車で購入した人であれば、車検のタイミングが近づくとハガキなどで連絡してくれるので、非常に重宝します。
ディーラーへ車検を出した場合の相場を紹介しましょう。追加車検費用が発生しないという条件で見てみると、軽自動車は約7万円、1500ccクラスのコンパクトカーで約10万円。2000ccクラスのミニバンでは約11万円となっています。
ディーラーで車検を受けると、カー用品店やガソリンスタンドと比べると割高となっています。その理由は、24カ月点検が、2年後の車検までを見越して丁寧に行うことそして、検査代行料などが発生するからです。割高ではありますが、クルマに詳しくない人にとってはプロがしっかりと見てくれていますので安心感は高いです。
☆カー用品店での車検費用の相場
最近ではカー用品店でも整備だけでなく、車検を受けることができるようになっています。例えば、大手カー用品店で車検を受けた場合、追加車検費用が発生しないという条件で見てみると、軽自動車は約4万5000円、1500ccクラスのコンパクトカーで約6万5000円。2000ccクラスのミニバンでは約約7万5000円となっています。
☆ディーラー車検とカー用品店の車検の違いを比較
ディーラーで受ける車検相場と比較すると、車検費用が非常に安いのが特徴です。その理由は車検基本料が非常に安く設定されているから。ディーラーだと車検基本料は約2万3000円~約4万円と車種によって幅がありますが、しかしカー用品店だとこの車検基本料が車種を問わず約1万5000円程度となっているからです。
また、カー用品店の中には、車検の際に受けられる店舗独自の特典がある場合もあります。店舗によって内容は異なりますが、エンジンオイルやブレーキオイルなどのオイル交換費用の割引が受けられることも。車検費用を安く抑えたいと考えている人には大歓迎でしょう。
ガソリンスタンドでの車検費用の相場
車検(継続検査)は自宅の最寄りのガソリンスタンドでも出すことができます。点検を併設されたピットを行うところもありますが、多くは提携している整備工場に持ち込んで車検を通すというパターンが多くなっています。その結果、価格が安いというメリットがあります。
軽自動車で約4万5000円、1500ccクラスのコンパクトカーで約6万円。2000ccクラスのミニバンでは約7万5000円となっており、カー用品店とほぼ同じ相場となっています。
ディーラー車検とガソリンスタンドでの車検の違いを比較
ディーラーの車検とガソリンスタンドの車検を比較すると、やはり価格の安さが違いとして際立ってきます。また、カー用品店よりも行く頻度が多い人も多いでしょうから、より身近な場所で愛車の車検が受けられる、ということもメリットのひとつといえるでしょう。また、カー用品店の車検のように、店舗独自の特典サービスが受けられることもあるようです。
ただし、ディーラーならほぼ確実にある代車サービスが受けられないこともあるなど、デメリットもあることは覚えておきたいところです。
ユーザー車検での車検費用の相場
ユーザー車検とは、ユーザーが検査場にクルマを持ち込んで行うタイプの車検です。車検業者に依頼するのではなく、ユーザー自身が行う工程が多いことが、ユーザー車検の特徴となっています。
ユーザー車検でかかる費用は、自動車重量税や自賠責保険といった法定費用のほかは継続検査申請書代だけとなっていますが、「これなら車検費用を安く抑えられる」と思うのは、少々楽観的です。
まず車検を受ける日を予約しなければなりませんが、検査場は平日しか開いていませんので、利用者は仕事を休む必要があります。加えて、検査ラインでやることを事前に覚えていなければなりません。事前に検査ラインを見学することもできるので確認しておくといいでしょう。
最初にも書きましたが、車検はあくまでもその検査を行った時点でのコンディションチェックに過ぎません。安心・安全に乗るためには24カ月点検整備を受けなくてはなりません。これはシロウトではできませんので整備工場に持ち込まなければなりません。
結果的にユーザー車検は法定費用と24カ月点検整備料、申請書代だけのため、非常に車検費用を抑えることができますが、平日に時間をわざわざ作らないとならないというデメリットがあります。
車検を受けるお店でおすすめはどれ?
ここまで車検を受ける場所ごとの車検相場や、それぞれの違いを比較してきましたが、結局受ける場所はどこがおすすめなのでしょうか。
この質問に対する回答は、あなたが車検で何を重要視するかによって変わります。
☆ディーラー車検:愛車の整備状況を常にベストにしたい人におすすめ
まず、愛車の整備状況をとことんベストな状態にしたい人はディーラー車検がおすすめです。その理由は、愛車を車検に適合する状態にするだけではなく、ずっと安心して乗れる状態にするために隅々まで整備してくれるから。また、はがきなどで次に整備が必要な日を教えてくれるので、毎日忙しい人でも車検日を忘れることがなく安心です。
☆カー用品店やガソリンスタンドの車検:費用の安さと店舗独自の特典に魅力を感じる人におすすめ
カー用品店・ガソリンスタンドの車検の魅力は、費用の割安さと、車検についてくる特典です。ただ車検自体が安いだけでなく、割引や特典を活用すれば、カーライフ全体での支出を減らすことができるので、これは1つの賢い選択であるといえるでしょう。
☆ユーザー車検:手間を惜しまず、とにかく安く車検を通したい人におすすめ
ユーザー車検の良い点は、とにかく割安なこと。平日に時間を取り、わざわざ手間をかけて車検を通すという大変さはありますが、それも苦に感じない、という人におすすめです。
車検費用を少しでも安くするコツ
既に述べたとおり、ユーザー車検は車検費用を安くする究極の手段です。しかし、ユーザー車検で車検を通すには、時間も手間もかかるので、ちょっとハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか。ここでは、ちょっとした工夫で車検費用を安くするコツ・方法をご紹介します。
車検費用を安くする方法:複数業者で見積もりを取る
ずばり車検費用を安くする方法は、複数の業者から車検の見積もりを取り、最も安い車検業者を利用する、というものです。
新車や中古車を購入したお店でしか車検を受けたことがないという方は、まずは自分の家から行ける範囲内に車検業者がどれくらいあるのか調べてみましょう。普段は意識したことがない場所に、カー用品店や自動車整備工場があるかもしれません。車検業者のリストアップが完了したら、それらの業者に向かい、車検金額の見積もりを出してもらいましょう。前述した通り、ディーラーよりもカー用品店やガソリンスタンドの方が車検相場は安い傾向にありますが、車検費用は業者の価格設定により異なります。
安く車検を受けるなら、複数見積もりを取る、これが鉄則です。
車検費用を安くする方法:整備項目を見て、いらない整備内容は外してもらう
車検の見積もりをとったら、整備項目の一覧を確認してみましょう。整備内容は、基本的には「車検を通すために必要なもの」「車の安全性に関わるもの」となっていますが、中には不要不急なものが入っているかもしれないので、それを削れば車検費用が安くなるかもしれません。
例えば、エアコンフィルターの交換が整備内容に入っていた場合。エアコンから出る空気が臭うのであれば必要かもしれませんが、これはオーナーの判断で整備するかしないかを判断しても良いと言えるでしょう。また、整備内容によっては、カー用品店で個別に部品を買い、自分で整備したほうが安上がりなものもあります。
見積もり内の整備項目をみて、不要なものは外せないか交渉することが、車検費用を安くする方法の1つです。相手は車検のプロなので、整備内容の緊急性が分からなければ、スタッフに質問すると良いでしょう。
車検費用の仕訳
仕訳とは?
仕訳とは企業や個人事業主が簿記上の取引の内容「借方」と「貸方」の左右に分類して、仕訳帳に記入することを指します。
簿記上の取引とは資産、負債、資本、収益、費用の増減を意味します。どうしてこのような仕訳をするのかというと確定申告をするために帳簿を付ける必要があるからです。
個人事業主で白色申告の場合は帳簿を付けなくてもいいですが、青色申告の場合は帳簿を付けて税務署に提出する必要があります。
ちなみに、車検費用は車両費の1つとして処理されます。
車検費用のうち消費税がかかるものはどれか
車検費用は「法定費用」「車検基本費用」「部品交換費用」の3つにわかれます。
この中で消費税が課税されるのは、24カ月定期点検料、検査ライン料、検査代行料を合計した車検基本費用。そして検査の結果によって必要となった整備や、エンジンオイルなどの消耗品の交換などの部品交換費用に消費税は課税されます。
自動車重量税、自賠責保険、検査手数料(印紙代)の合計である法定費用には消費税は課税されません。
車検費用の仕訳で使用する勘定科目
車検費用を仕訳すると、自動車修繕費は勘定科目では修繕費、自動車重量税と収入印紙代は租税公課。自賠責保険は保険料、車検事務手数料は支払手数料に仕訳することができます。
車検費用を分割払いする方法
クレジットカードを利用する
車検費用の支払い方は現金払いだけでなく、ディーラーやカー用品店などではクレジットカードで支払うことも可能です。この場合、24カ月定期点検料、検査ライン料、検査代行料を合計した車検基本費用、そして、検査の結果によって必要となった整備やオイルなどの消耗品の交換などの部品交換費用はクレジットカードで支払うことができます。
法定費用の支払には使えないことに注意
車検費用の中で非課税の法定費用(自動車重量税、自賠責保険、検査手数料(印紙代)に関してはクレジットカードでの支払いはできませんので、現金で支払わなければなりません。
マイカーローンを利用する
JAバンクなどが行っているマイカーローン。普通マイカーローンと聞くと新車や中古車を購入するときに利用するものと思うでしょう。実はマイカーローンは購入だけでなく、修理・車検費用などカーライフに関する様々な用途に利用できます。借り入れ時の年齢や最終償還時年齢、前年度税込年収、勤務年数などが設定されていますが、1000万円以内の融資金額、融資期間は6カ月以上10年以内と自分のペースで返済することができます。
ただし、マイカーローンを利用できる人は所定の要件を満たした人だけとなっているので、ご注意を。また、最近では個人向けのリースプランもあります。これは5年や7年というリースを契約し、その間の税金をはじめ、定期点検や車検費用を含んだ金額を月々均等払いするというもの。月々の支払い額は一般的なローンに比べて大きくなるものの、自動車税や車検といった突発的な大きな出費を抑えられるクルマの買い方もあります。
車検の必要性
クルマの車検は、人間にとっての定期健康診断と同じようなものです。クルマが安全に走行できるように経年劣化によるパーツの劣化やネジなどの緩み、タイヤやブレーキの残量のチェック。さらにヘッドライトの明るさや排気ガスの濃度が基準をクリアできているかなどをチェックしています。
車検制度があることで、日本国内におけるクルマの安全性や環境性は高いレベルが担保されているのです。万が一、車検制度がなかったら、整備不良なクルマが街を走り回りことになります。その結果、突然のトラブルによって交通渋滞を引き起こしたり、排気ガスによる空気の汚染がひどくなるなど社会に害を与えることになってしまいます。そういったことを防ぐためにも車検は必要な制度と言えるでしょう。
車検の手続きには、どうしてもある程度の費用と手間がかかってしまうものですが、とても重要なものであることは間違いないので、忘れずに受けるようにしましょう。そして、車検を受ける際には、ここまで紹介した車検相場や受けるお店・業者による違いを意識して、お得に車検を受けてみてください。